有機物分解セラミック生成装置の概要・特徴
あらゆる有機廃棄物を熱分解してセラミックス状の灰に転換する装置です。
・ 廃棄物は二重ダンパシステムから1日に2~3回、炉内に投入されます。
・ 有機廃棄物は、炉内で乾燥および熱分解されます。
・ 炉全体に均一に供給される空気によって、排ガスが急冷され熱分解反応が停止します。
・ 非常に狭い熱分解帯は1000℃程度の高温に達していますが、その他の炉の大部分は100℃程度の低温に維持されます。
動作原理
装置の一例
1、廃棄物投入口 2、上・下段ダンパー 3、投入口開閉装置 4、熱分解室 5、セラミックス状灰 6、空気投入口 7、セラミックス状灰回収装置 8、排気放冷室 9、排ガス洗浄装置 10、排気滞留槽 11、活性炭槽 12、酸化触媒装置 13、凝縮水濾過装置(活性炭・木炭・ゼオライト) 14、下水放流
燃えるゴミを再資源化
燃料・エネルギーをほとんど使いません
装置の起動時に熱エネルギーの元になる炭火を敷き詰め熱分解を進めるエネルギーとしますが、分解開始後は有機物が分解する時に発する「分解熱」が次の分解のエネルギーへと利用されていきますのでガスや灯油などの燃料を全く必要としません。消費するエネルギーはイオン発生装置やファンなどを動かす小量の電気だけです。
※ランニング費用=電気代少々のみです。
容積0.1%以下へ驚異の減容率
有機物分解セラミック生成装置は分子レベルで有機物を無機物へと分解します。その分解は極めて細かな隅々まで及ぶため、最終的には窒素やリン・カリウムなど有機物に多く含まれ、ガス化しにくいものだけが残ります。その容積は投入量の 1/1000 消滅といってもいいほどの減容ができます。
生成物は再利用可能
最終的に残る生成物は無機物の細かなパウダーです。投入物の種類によりますが、肥料として有効なリンが高い割合で含まれ肥料として有効であるものや、多孔質なので脱臭剤としての利用、土壌改良材や建築材としての利用など様々なかたちでの再利用が可能です。
NOx等有害物質の発生なし
熱分解が発生する界面付近は1200℃の高温があり、有害な窒素酸化物が発生する温度帯を遥かに超えています。また、酸化物となるための酸素が供給されていないので有害な窒素酸化物はほとんど生成されません。
分子レベルまで分解されなかった比較的大きな有機物は煙や木酢液となりますが、これらはシャワーリングなどにより回収され再利用ができます。
超長寿命
筐体は100℃未満の低温かつダンパー以外は可動部もないため、経年劣化が極めて緩やか、20年以上の長寿命が見込まれます。
処理対象物を選ばない
処理対象物は食品残渣・使用済み紙おむつ・包装材などの樹脂・プラスチックなど有機物は何でも分解、金属・ガラスなどの無機物は分解はされませんが投入しても問題はありません、無菌化されてそのまま残ります。金属に樹脂が接着加工されたものも金属だけ取り出すことができます。
簡単操作
投入して時間を待つだけ…、操作は不要です。
分別不要
塩分・油分関係なく処理できます。廃プラや食品残渣など分別せず、袋も破らずそのまま投入OK!トータルで70%程度の含水率でも処理できるので、水浸しのものも投入可能です。
安全性
無機化で安全排気
有機物分解セラミック生成装置は、燃焼を伴わない熱分解により、「有機塩類」と「酸素」の反応が発生しません。ダイオキシン類の要因となる「有機塩類」が発生しないのでダイオキシン類の発生はほぼありません。
装置内では水蒸気と微粒子となった分解された物質の混ざった煙が発生します。
当装置は排気前に水道水のバブリングで排気中の水蒸気と微粒子を回収、排気は大気汚染防止法に定める基準の遥か下方の無臭・無色・無害となります。排水も下水道排水基準値に全く抵触しない水準となります。
感染性処理物への応用
有機物分解セラミック生成装置では分子レベルで熱分解処理を行うので、感染性廃棄物を無害化することができますが、廃棄物処理法に定められた処理方として認定されるかどうかは自治体の判断によります。熱分解装置が感染性廃棄物の処理方として運用されている事例はあります。
衛生感向上に貢献
有機物分解セラミック生成装置では、順次発生する食品残滓や使用済紙おむつなど、悪臭や病害虫の発生の要因になりやすい有機物を装置内に投入・密封し順次熱分解処理します。
これにより、ゴミとしての滞留時間が短くなり、密封のため臭気も虫も発生せず、処理後は無臭無菌状態のセラミック灰が少量残るだけなので衛生管理に貢献します。
大きな減容量
熱分解方式は、処理物を構成する分子を小さく分解する物なので、最終的には重量でも容積でも非常に大きな減容量を実現します。
消滅型と言われるバイオ方式の非常に快調な場合の能力と廃プラなどを処理できる強力焼却炉の能力を合わせたような力を発揮します。
最終処理も簡単
最終的に熱分解されず残るものは、混入した微量の金属やガラス・鉱物などと炭素その他の無機質のセラミック灰です。
金属やガラスなどの塊は分別して再利用 できます。
セラミック灰は土壌にミネラル分を与える土壌改良材として有効活用できます。
廃棄コストの大幅削減
石油・ガス・電気等のランニングコストがほぼ無視できる程度なため、減価償却費だけを考慮すればよいので、極めて短期間でイニシャルコストの回収が可能です。
残留物(セラミックス無機物)
残渣物(セラミックス無機物)(標本写真)
建設廃材 鶏糞 牡蠣/帆立 下水汚泥 焼却灰
残渣物のセラミックス粒子(標本写真)
径6~10㎜ 径3~4㎜ 径1~2㎜
植物系残渣物(セラミックス無機物)は、特にミネラル分を含む有機セラミックスで多目的な利用が可能です。
残渣物から成型した円盤(径15㎝×厚さ3㎝)からは遠紫外線が放出されるため、様々な用途に適用されます。